インストール、起動、設定

この章では、SMART-GS を使い始めるためのインストール、起動、設定の方法を説明します。ただし、初めて人には設定の話は難しいので、設定関連の話は、馴れてから読むようにしてください。つまり、初心者は、次のコンテンツの3-5は読む必要がありません。また、Windowsユーザーで、将来も Mac, Linux を使う予定がない人は、2も読む必要はありません。そういう人は 1 だけ読んで、次の章に進んでください。

コンテンツ:

  1. インストールと起動basic
  2. Linux, Mac での利用とデータ共用
  3. ユーザ設定:画像フォルダの設定を例にしてadvanced
  4. その他の設定advanced
  5. 起動用ファイルの設定advanced
  6. GSXファイルadvanced

basicは初心者も必ず読むべき項目を、advancedはアドバンスドな項目を表す。

変更履歴 2011.11.10: 「インストールと起動->インストールの冒頭を修正」

インストールと起動

SMART-GSのインストールと起動について説明します。

インストール

まず、SMART-GSをSMART-GS のページからダウンロードします。 Windowsの場合はZIPファイルを、Mac OS Xの場合はdmgファイルをダウンロードしてください。 SMART-GS の配布物には、ソースコードや Java のクラスファイル、サンプルファイルなどが含まれています。

Windowsの場合、配布物はZIPファイルですので、そのまま任意の場所に展開して下さい。 Linuxの場合でも同様です。

Mac OS Xの場合、配布物はdmgファイルですので、ダウンロードしたファイルをダブルクリックして下さい。 するとマウントされて、以下の図のようにdmgの中身が表示されます。 左側の「SMART-GS」のアイコンをアプリケーションフォルダなど任意の場所にドラッグアンドドロップしてインストールして下さい。

Mac OS Xでdmgファイルをマウント

なお、以前のバージョンからアップグレードする場合、SMART-GSをインストールしたディレクトリのsmart_gs以下に画像ファイルやgsxファイルなどがありますので、以前のバージョンで、すでに編集済みの場合は、これらのファイルを上書きしないように注意して下さい。

以下では、OS が Windows であることを前提にして解説し、ファイル、フォルダのパス名も Winodowsを前提にして解説します。 これを除けば、基本的には Mac OS XやLinuxの場合も設定などはすべて同じ様にできます。 これはSMART-GSがOSに依存することが少ないJavaにより実装されているからです。

ここでは例としてダウンロードしたZIPのアーカイブをWindowsのCドライブ直下で展開して、新しいフォルダ C:\smart-gs が出来たとします。 この C:\smart-gs が SMART-GS のフォルダとなります。 バージョンにより、できるフォルダ名が smart-gs と違う場合もありますが名前の違いは利用には関係ありません。 自分で好みの名前に変えてもかまいません。 以下、この C:\smart-gs という例を使って説明しますが、SMART-GSのフォルダのパス名などは実際にインストールした場所のパス名で置き換えて読んでください。

Mac OS Xのdmgの場合は、インストールした「SMART-GS」の中のContents/Resources/Javaが上記のC:\smart-gsに対応します。 「SMART-GS」の中身を見るためには、Finderから「Control + クリック(右クリック)」して、「パッケージの内容を表示」を選択して下さい。

起動

ZIP形式の配布ファイルには、Windows 用の実行ファイル smart-gs.exe やバッチファイル SMART-GS.bat、Mac OS X や Linux 用のシェルスクリプト SMART-GS.sh などが含まれています。 どれでも同じですが、Windows で全く初めての方は smart-gs.exe を実行して下さい。 SMART-GS の実行には、Java の実行環境が必要なのですが、マシンに Java の実行環境がインストールされていない場合、smart-gs.exe を実行すると、まずブラウザが立ち上がり、Java のダウンロードページが開きます。 「無料 Java のダウンロード」から Java を適宜ダウンロードしてインストールして下さい。 Windows で後述するような「起動用ファイルの設定」を行う必要がある場合は、SMART-GS.bat を使って下さい。

Mac OS Xのdmg形式の場合、アプリケーションフォルダにインストールした「SMART-GS」をダブルクリックするとSMART-GSを起動することができます。

初めて SMART-GS を起動する際には、スプラッシュウィンドウの後に、ユーザ名を入力するダイアログが表示されます。 それに書いてある説明にしたがって、自分のユーザ名を決めて入力して下さい。入力したユーザ名は記録され、以後、起動すると自動的にそのユーザ名が使用されます。また、ユーザ名は Preference メニューで変更することも可能です。

このユーザ名はセキュリティのためではなく、ユーザの活動を記録するためにだけ使われます。たとえば同じ画像史料の翻刻を翻刻結果を多人数で共有しながら、かつ、分担して行なう場合、画像の追加や画像上のアノテーションなどにはすべてそれを行なったユーザの名前が記録されます。ですから他の人と協力することがない場合には適当な名前で構いませんが、チームを組んで翻刻する、他の研究者や学生とファイルをやり取りすることがあるという場合は、相談してそれぞれのユーザを区別できるような名前をつけるようにしてください。また、SMART-GSが将来、ネット対応になった場合にはネット対応版はパスワードなどによる認証も行なうようになります。

ユーザ名を入力して暫く待つと、次のようなウィンドウが表示されます。 このウィンドウはワークベンチと呼ばれ、SMART-GSによる作業はワークベンチを中心にして行なわれます。ワークベンチが開いたらSMART-GSは使用可能の状態です。

09 Ver.0.9ではツールバーの位置などが変更されています。「SMART-GSの初期画面」参照

Linux, Mac での利用とデータ共用

SMART-GSは Java 言語で作られているために、Windows, Linux, Mac のすべてで利用可能です。また、HDDなどでの画像の置き場所や名前付けなどに気をつければ、データを、これら三つのOSの間で共有することができます。たとえば、USBディスク, HDD などの外付けディスクに SMART-GS と、そのデータを入れておき、家では Mac に接続して仕事をし、翌日、勤務先ににそのディスクをもっていって、今度は Windows や Linux に接続して、仕事を続けるというようなことが可能です。

同じデータを Windows XP, Mac OS X, Linux Ubuntu 上で表示(データは田辺元資料)

ただし、Mac の標準設定ではマウスの右ボタンが使えないため、そのための環境の整備をしないといけませんし、Linux でも、SMART-GSの起動用ファイルをクリックしただけで起動できるかどうかはウィンドウ・システムの環境の設定によって違いますので、それぞれのOSの知識が必要です。OS間の設定の基本的なものは「便利な使い方1」で説明しますので、それを参考にして設定すれば大抵の環境で使えるはずです。

これらは簡単に解決できる問題ですが、本質的な問題もあります。画像検索を可能にする為に使っている画像処理のソフト Segfo2Dsc がWindows にしか対応してないため、画像を検索可能にする画像コンパイルはWindows上でしかできません。しかし、画像検索を行なうソフト DscSearch にはWindows用、Mac用、Linux用があり、画像検索用のデータは、OSに依存しないため、一旦、Windowsで画像コンパイルをしておけば、Mac, Linux でも Windows同様の使いかたができます。

さて、この画像コンパイルの問題は将来の宿題として、以下に今できることの説明をしましょう。

SMART-GS をMacで使う場合の最大の障害はマウスの右ボタンがないということです。ひとつの解決策は、右ボタンがあるマウスを接続して使うことですが、実は、最近の Macには右ボタンにあたものがちゃんとあるが、デフォールトでは隠されているのです。それを表に出してやれば、別にマウスを準備しなくても、Windowsと同じように使うことができます。 これについては、たとえば、Web検索で "Mac, 右クリック", "Mac, 右ボタン"などのクエリ(探索語)で調べればいろいろみつかります(例えば、http://dekiru.impress.co.jp/contents/013/01318.htm)。Ctrl-左クリック が右クリックの代わりになるという説明もありますが、これは通常の設定ではSMART-GS上では使えません。SMART-GS では、おなじキーストロークが、ショートカットとして使われているので、もし、SMART-GS 上でも、Ctrl+左クリック が右クリックになるようならば、この機能をOFFにしておく方が良いでしょう。(参考

この問題にOSの設定変更なしでも対処できるように、SMART-GSで右クリックでの操作がある場合は、原則としてAlt+左クリック で右クリックと同じ動作をするように作っています。この機能は、いつもノートPCでクリックの替わりにタップをしているという Windowsユーザにも便利なはずです。ただし、どこかでこの機能をつけ忘れているかもしれませんので、その時は、是非、開発チームに知らせてください。知らせる時は、sourceforge.jp の SMART-GS サイトチケット機能を使ってください。

Windows と共通のハードウェア上で発展したLinux については、上記のような問題はありませんが、Windowsと違って、ウィンドウシステムが自由に変えられるので、クリックによるSMART-GSの起動がウィンドウシステムによりことなることに注意してください。一番確実な起動方法は、ターミナルを開いて、SMART-GS をインストールしたディレクトリに移動した後で、./SMART-GS.sh としてシェルスクリプトで起動することです。GUIから、うまくいかない場合は、まず、これをやってみましょう。

以上はハードウェアとOS、いわゆるプラットフォームの問題ですが、次に SMART-GSそのものついての注意点を説明します。 ただし、これは Windows, Linux, Macの二つ以上を同時に使いたいという人向けで、いつも同じOSで使うという人には関係ありません。

便利な使い方1:Linux, Mac とデータ共有

Linux 単独、Mac 単独で使う場合には、パス名の指定でディレクトリ(フォルダと同じ意味のUnix系OSの用語)の区切りが、これらのOSでは、\ でなくて、/ であるということ以外には特に注意する必要はありません。自分のOSの区切り記号はユーザならば知っているでしょうから、これはわざわざ言うことではないでしょう。しかし、複数のOSで同じSMART-GSを使いたい場合は事情が異なります。つまり、仕事場ではMacを使っているが、家ではWindows だというような場合です。この様なときの使いかたを説明します。

Java で作られている SMART-GS では、研究資料などを外付けポータブルHDDに入れておいて、仕事場のPCにそれを繋いで仕事をし、同じディスクを家にもって帰って、今度は家のPCに接続して、同じ研究資料を使うというような使いかたが可能です。具体的な使いかたは、便利な使い方2を見てください。家のPCと仕事場のPCが同じOSならば、何の問題もないのですが、家のPCがMac, 仕事場のPCはWindowsというようなときには、少し工夫して対処すべき問題が二つあります。以下に、その問題への対処方を説明します。

SMART-GS を異種OSの上で使う場合には、イメージや GS ファイルの置き場所を指定するパスのディレクトリ(フォルダ)区切り記号の違いが問題になります。この区切り記号はWindowsの標準では \, Linux, Mac では / と決まっています。ですから、Windowsで、.\smart-gs\images\ と書くところを、Mac やLinux では、./smart-gs/images/ と書かねばならないのです。

実はWindows は、\ の他に / も区切りとして使えることになっているので、Mac, Linuxで書いた / 区切りの Preference は、Windowsでもそのまま使えます。しかし、逆は正しくありません。Mac, Linuxでは、\ はディレクトリ区切り記号ではないからです。そのため、Windowsでイメージの置き場を指定する Preference のImages を、例えば .\smart_gs\tanabe_study_images\ と指定している場合に、Preference を変更せずに、Mac や Linux でつかうと正常に動作しません。このような場合には、Preference を、Unix流に / を使って書き直す必要があります。よく色々な OS を使う場合には、これは不便ですから、たとえ Windows 上でも、できるだけUnix流の区切り記号を使うべきです。配布される SMART-GSのPreference でもUNIX流の書き方が使ってあります。

区切り記号以上に面倒なのが Windows と、Mac, Linux でのディスクの名前のつけ方の違いです。Linux とMac では、HDDやUSBディスクなどの記憶デバイスをシステムに接続した時、マウント・ポイントというものが決まります。これは Windows で言えば、ドライブ番号、つまり、 マイコンピュータのアイコンを開いた時にでてくる「ローカルディスク(C:)」、「リムーバブル ディスク(H:)」などの C:, H: にあたるものです。Mac OS X や Linux などのUNIX系のOSでは、ドライブ番号という概念がなく、たとえばMac OS X では、HDD1というボリューム名のHDDを接続した場合、そのマウンティング・ポイントは、通常 /Volumes/HDD1/ というディレクトリがマウント・ポイントになります。(Linux Ubuntu 11 では /device/hdd1/)。これがドライブ名に対応するものなので、もし、Preference の Images を "Z:\smart_gs\images\" と指定して Windows で使っていたときは、"Z:"をマウントポイントに置き換えて "/Volumes/HDD1/smart_gs/images/"に書き換える必要があります。

ただし、これはドライブ名を直接 Images の指定に使っていたときのことで、相対パスを使って、たとえば .\smart_gs\tanabe_study_images\などとしてある場合には、ドライブ番号が使ってないので、マウント・ポイントも意識する必要はありません。区切り記号を UNIX 流にして、./smart_gs/tanabe_study_images/ と書いておけば、そのままで、Windows, Mac, Linux のすべてのOSで、そのまま使うことができます。

 

ユーザ設定:画像フォルダの設定を例にして

この節ではSMART-GSを便利に使うためのユーザ設定について説明します。SMART-GSを始めて使う人は、SMART-GS をデフォルトのままで使う方が簡単です。ここで説明する設定はSMART-GSに慣れてから行なう方がよいでしょう。しかし、少しSMART-GSになれた人は、SMART-GSを色々とカスタマイズしたいと思うことがあります。

たとえば史料分析の演習で大きな文書画像アーカイブを扱う場合を想像してみましょう。何も設定しないでSMART-GSを使うときには、「ワークベンチ」の章の「イメージの追加と削除」で説明するように、必要な画像をSMART-GSのデフォルト画像フォルダにコピーしてから使うことになります。SMART-GS のデフォルトでは文書画像はSMART-GS のフォルダ中の smart_gs\images、例で言えば、C:\smart-gs\smart_gs\images なので、ここに画像がコピーされるわけです。しかし、それでは大容量の画像をすべての学生のPCの、C:\smart-gs\smart_gs\images フォルダにコピーすることになり大変です。そういう時は、NASなどのLAN上の共有ディスクに画像を置き、LANに学生のPCを接続して演習をすると便利です。たとえばNASのドライブ名がWで、NAS上の画像アーカイブが TanabeBunko であった場合、W:\TanabeBunko を画像フォルダに設定する必要があります。そういうときには、次のようにします。

1. 画像ファイルへのパスを設定するためには、SMART-GS を起動して、メニューバーの中の Preference を選択します。

2. メニュー Preference には

  1. User Name
  2. IDAT Names
  3. Image Search Engine
  4. Image Search Type for Dictionary
  5. Text Type
  6. Search Size Bound
  7. Markup
  8. Data Directories & Files
  9. Resource Basket Default Save Option
  10. WebDAV
  11. Proxy
  12. Web Browser
  13. Editor (09 SMART-GS0.9では External Editor)
  14. 09 Window Display Mode (SMART-GS 0.9新機能)
  15. 09 Search Highlight Mode (SMART-GS 0.9新機能)

という項目がありますが、ここでは画像のパスの設定するために Data Directories & Files を選択します。

3. 次のような Date Directories and Files Setting ダイアログが表示されます。

data_directories_setting.png

ダイアログの Images 項目にフォルダのパス名を書くと、そのフォルダが画像フォルダに設定されます。たとえばW:\TanabeBunkを直接入力するか、[Select] ボタンを押しファイルチューザを使ってフォルダを選択します。

4. 最後に Data Directories and Files Setting ダイアログのOKボタンを押すと、設定が記録されますが、記録された設定は直ぐには有効にならず、次にSMART-GSが再起動されたときに始めて有効になります。そのため、次のようなダイアログが表示されるので、了解ボタンを押します。

 

注1. デフォルト:なにもしないときの標準のこと。

その他の設定

メニューバーの Preference の機能の中で、Set Directory Path はパスの設定にて説明したので、それ以外の項目を順番に説明します。

  1. User Name
  2. IDAT Names
  3. Image Search Engine
  4. Image Search Type for Dictionary
  5. Text Type
  6. Search Size Bound
  7. Markup
  8. Data Directories & Files
  9. Resource Basket Default Save Option
  10. WebDAV
  11. Proxy
  12. Web Browser
  13. Editor (09 SMART-GS0.9では External Editor)

「User Name」は、ExplanatoryNote や Markup の作成者(ユーザ)の名前を設定するときに使用します。 初回の起動時にユーザ名を入力するダイアログが表示されます。 ExplanatoryNote については、4.ワークベンチ のなかの「リンクの作成、表示」を参照してください。 Markupについては同じく「イメージのマークアップ」を参照して下さい。

IDAT Names」では、IDAT の名前を設定します。 選択すると「IDAT Name Setting」というダイアログが表示されます。 First IDAT、Second IDAT、Third IDAT の三つの名前を設定することができます。 標準では、それぞれ Note1、Note2、Note3 となっています。

Image Saerch Engine」は、イメージサーチをSMART-GS本体で行うか、外部アプリケーションの DSCSearch で行うかを指定します。 外部アプリケーションで行う場合は External を、SMART-GS本体で行う場合は Internal をチェックします。 一般に DSCSearch を用いた検索が高速に行えますので、DSCSearch を用いることができる場合は External を選んでください。 Internal を用いても検索は行えますが、Java プログラムの内部で検索を行っていますので、検索スピードは遅くなります。

Image Search Type for Dictionary」は、Dictionary 機能の中で Image Search のタイプを指定します。これは実験のための機能です。一般のユーザは TYPE1で使用することを薦めます。

Search Type」は、使用するイメージサーチのタイプをDefault、DTW_1、DTW_2から選択するときに使用します。 Default、DTW_2、DTW_1の順番で精度が高くなり、それにともなってイメージサーチにかかる時間も長くなります。 標準の状態ではDefaultになっています。 イメージサーチについては、5. イメージサーチを参照してください。

091「Text Type」は、画像ファイルとして読み込んだ文献が縦書き(vartical)か横書き(horizontal)かを指定します。 これはSMART-GS0.9でのDSCファイル作成時の行切り出しやイメージサーチを行う際に必要になりますが、 SMART-GS0.9.1では無意味になりました。091 での取り扱いについては、こちらを、 DSCファイルについては、4. ワークベンチ のなかの「DSCファイルの作成」を参照してください。

Search Size Bound」は、イメージサーチの調整用です。一般ユーザーは設定しないで空白のままにしておいてください。 イメージサーチについては、5. イメージサーチを参照してください。

Markup」は イメージのマークアップ に関連したいくつかの設定を行います。

「Data Directories & Files」は先の例の画像フォルダの様に、 SMART-GS を利用する際に有用なデータファイルやそのフォルダの設定を行ないます。項目は次のとおりです。

相対パスでの指定する場合のカレントフォルダ(カレントディレクトリ)は、SMART-GSが起動されるフォルダになります。これは特に設定を変えていなければ、起動バッチファイル smart_gs.bat のあるフォルダ、つまり、SMART-GSを実装したフォルダになります。

Resource Basket Default Save Option」は Resource Basket の保存に関するデフォルト・オプションを選択します。

WebDAV」は、ファイルを保存するサーバへのアクセス設定を行います。 WebDAVを利用することで、SMART-GSで使用するgsxファイルなどをネットワーク上で共有することが可能になります。 WebDAVの使い方については、4.ワークベンチのなかの「GSXファイルの保存、読み込み」を参照してください。 このメニューを選択すると「WebDAV Setting」というダイアログが表示されます。 このダイアログの「server path」には、gsxファイルを保存するサーバのurlを記入します。 また、「user id」、「password」にはそれぞれ、server path で指定したサーバに接続するためのユーザーIDとパスワードをします。

Proxy」では、インターネットに接続する際の Proxy を設定します。 Proxy の address と port を入力します。

Web Browser」は、SMART-GSから呼び出すWebブラウザの指定を行います。 利用したいWebブラウザの実行ファイルを指定します。 これはWWWへのリンクが指定されているときに、そのリンク先を表示するために使われます。

Editor」は、SMART-GSで利用するエディタの指定を行います。 User's Note を編集するときSMART-GSのエディタではなく、外部のテキストエディタやHTML、XMLエディタを使ってソースを編集することができます。そのときに使用したいエディタの実行ファイルのパスを指定します。 09SMART-GS0.9では、この項目は External Editor と改名されています。変更は名前のみです。

09 Window Display Mode」は、SMART-GS 0.9 で追加されたPreference 項目で、画像がテキスト(IDAT)に対してどの位置にあるかを指定します。位置は Top, Bottom, Left, Right の四つで、たとえば Top を選択すると 0.8 と同様に画像がテキストの上に表示されますが、Bottom を選ぶと画像が下に表示されます。横書きの資料の場合、Left か Right を選びテキスト画像と翻刻を横に並べて表示すると作業がやりやすくなります。また縦書きの場合も、Left, Right にすると縦が短い通常のディスプレイでもテキスト画像の1行全体を表示しやすくなります。Preference でモードを選ぶと、その場で表示位置が変更され、SMART-GS 終了時のモードが Preference として記録され次回起動時に使用されます。

09 Search Highlight Mode」は、SMART-GS 0.9 で追加されたPreference 項目で、 All と Off の2モードがあります。All モードにすると、テキストのサーチを行った際に見つかったすべての箇所が一斉にハイライトされますが、Off ですとハイライトされるのは最初の箇所だけになり、後は順次表示していくことになります。Default は All です。

起動用ファイルの設定

この項の起動用ファイル(起動用バッチファイル)の設定は上級者向けです。 設定を間違うと起動しなくなることがありますので注意してください。 もし変更して、起動できなくなった場合は、起動ファイルをインストール時のものに戻してください。 SMART-GSを再度ダウンロードし、使っているSMART-GSのフォルダとは別の場所に展開し、起動ファイルのみコピーしてくればもとに戻ります。。

以下で、起動用ファイルの簡単な編集により SMART-GS をより便利に使う方法を説明しましょう。

典型的な起動ファイルの中身は次のようになっています:
set classpath=.\bin;.\lib
java -Xmn160m -Xmx480m -Xms480m smart_gs.SmartGS -p project1_preference.xml

一行目はJavaの起動のためのクラスパスの設定です。 二行目の先頭で java を呼び出しています。

java の最初の三つの引数 -Xmn160m -Xmx480m -Xms480m は、Java の起動オプションで、Java が使用するメモリ(ヒープ)のサイズを設定するものです。 詳しくはたとえば、http://www.atmarkit.co.jp/fjava/rensai3/javavm02/javavm02_2.htmlの解説を参考にしてください。 問題がなければ、インストール時の値から変更する必要はありませんが、画像の数が多く、またPCも十分に高性能である場合には、三つの設定値を換えてみるのも良いかもしれません。 変更する場合は Xmx と Xms を同一にすることを薦めます。

4番目の引数 smart_gs.SmartGS は、SMART-GSを起動するクラスの名称でこれを変えると起動しなくなりますので注意してください。

5番目の引数 -p project1_preference.xml は、SMART-GS に与えるオプションで、-p の後に Preference で指定した初期設定の値が保存されるXMLファイルを指定します。 このオプションを指定しない場合は、SMART-GSはデフォルトの初期設定ファイル preference.xml を使用します。

なお、SMART-GS の配布物に含まれている Windows 用の実行ファイル smart-gs.exe は Java の .jar ファイルから、launch4jというユーティリティを用いて作成しています。 実行ファイルを作成する際に、上述の java の引数を設定することができます。 配布物に含まれている smart-gs.exe では特に引数を設定していませんが、必要な場合は、一緒に配布されている launch4j の設定ファイルを参照の上、設定して下さい。 上述の java に渡すオプションは、launch4j の [JRE] タブの [JVM options] で、SMART-GS に渡すオプションは、[Basic] タブの [Command line args] で指定することができます。 なお、後者の SMART-GS に渡すオプションは、生成された smart-gs.exe に直接指定することもできます。 詳しい使い方は、launch4j のページを参考にして下さい。

便利な使い方2:SMART-GSを持ち歩く

USBディスク、SDカード、ポータブルHDDなどに SMART-GS と同時に Java もインストールしておくと、ディスクをPCに差し込むだけで、SMART-GSを使えるようにできるので便利です。画像ファイルの大きさと、実行速度のことを考えると、SDカードかポータブルHDDを使うべきですが、値段と携帯性を考えるとUSBディスクも悪い選択ではありません。しかし、立ち上がりなどの速度が遅くなるという欠点はあります。

たとえば、ドライブ番号ZのポータブルHDDのフォルダ Z:\smart-gs\ にSMART-GSがインストールされているとします。このとき、Z:\jre6 に java をインストールし、java.exe のパスが Z:\jre6\bin\java.exe だったとします。このとき起動ファイル Z:\SMARTGS\SMART-GS.bat の内容を
..\jre6\bin\java.exe -classpath "bin;lib\*" -Xmn160m -Xmx480m -Xms480m smart_gs.SmartGS
にしておくと、Windows PCにHDDを接続するだけでSMART-GSを起動できるようになります。

HDDのドライブ名は環境によって変わってしまいますので、こういう使い方をする場合には、Preference のパスはなるべく相対パスで指定すべきです。たとえば画像フォルダ(Images項目)がZ:\SMARTGS\smart_gs\images(デフォルト値)、GSファイルフォルダ(GS Files項目)が Z:\SMARTGS\smart_gs\gs(デフォルト値)、デフォルトのGSファイル(Default GS Files項目)がZ:\SMARTGS\smart_gs\gs\S09LectureNotes.gsx である場合、Preference を次のように指定します。

また、これは Windows の場合ですが、Mac, Linux の場合も同様にすることがでます。ただし、Java の実行環境 JRE は、OS ごとにちがうので、もし、自前で Java を持とうとすると、使うOSすべての Java をインストールしておかないといけないことになります。

便利な使い方3:複数の研究を行う

SMART-GSによる翻刻などの研究結果を保存するGSファイルを起動時に直接 SMART-GS に指示することはできず、起動した後でGSファイルを指定して読み込む必要があります。これは、一度に二つの研究を同時に進め、そのためにそれぞれの研究ごとにGSファイルも別にする場合などには不便ですが、次のようにすれば、この問題を解消することがでます。たとえば、S09LectureNotes.gsx とS10LectureNotes.gsx という二つのGSファイルのそれぞれに対して、その内容が次のような二つの Preference ファイルを作ります。

s09_preference.xml

s10_preference.xml

09_preference.xml を作るには、Preference menu で設定を行い、SMART-GS を終了させた後に、preference.xml を s09_preference.xml にコピーするという方法が一番確実ですが、XML ファイルなので、テキストエディタで開いて直接編集する方が簡単です。

そして、起動用ファイル s09LectureNotes.bat と s10LectureNotes.bat を次のような内容でつくります。

s09LectureNotes.bat
 set classpath=.\bin;.\lib
 java -Xmn160m -Xmx480m -Xms480m smart_gs.SmartGS -p s09_preference.xml

s10LectureNotes.bat
 set classpath=.\bin;.\lib
 java -Xmn160m -Xmx480m -Xms480m smart_gs.SmartGS -p s010_preference.xml

これにより、s09LectureNotes.batを起動すれば S09LectureNotes.gsx を、s10LectureNotes.batを起動すれば S10LectureNotes.gsx を使うことができるようになります。

GSX ファイル

バージョン 0.8 から SMART-GS の保存形式はそれまでの GS ファイルから GSX ファイルに変更されました。 このファイルは SMART-GS 関連の XML ファイルを ZIP 形式で圧縮したものになっています。 現在、内部的には以下のような構造になっています。

spread.xml
SMART-GS の本体の保存形式。 画像ファイルの位置やマークアップの情報などが保存されています。
dictionary/default.xml
辞書ファイル。 将来的には、複数の辞書を切り替えて使うことができるようになる予定です。

0.8以降のSMART-GSではGSファイルは利用できません。そのためGSファイルはGSXファイルに変換する必要があります。GS ファイルは、メニューの [File] -- [Convert GS File to GSX File and Open] で、GSX ファイルに変換することができます。

[Convert GS File to GSX File and Open]を選択するとファイル選択用のウィンドウが開くので、そこからGSXファイルに変換したいGSファイルを選択します。すると同じフォルダにGSXファイルに変換されたファイルが作成されます。元のGSファイルが「xxx.gs」という名前だとすると、変換されたGSXファイルの名前は「xxx.gs_converted.gsx」になります。SMART-GSは直ちにそのGSXファイルを読み込んで開いた状態になります。もとのGSファイルはそのまま同じフォルダに残されます。変換にエラーがある可能性もあるので、GSファイルは残しておくことをお勧めします。


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